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Author:ほりほり


堀田周郎(ほりたのりお)
1958年・姫路市生まれ。B型。
播州ハム社長・・・・と言いましても、従業員20名余りの小さな会社ですので 製造から営業、そしてWebマスターと色々やっています。
大江工場長と共に創業以来のドイツ式製法に、欧米各国の製法研究や各種研修の成果をアレンジして日本人の繊細な味覚に合うハム・ソーセージづくりをめざしています。

この日記では、日々の出来事やお店からのご案内をお伝えしていきたいと思っています。

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今も受け継がれる大木製法5(炭火焼き製法)
レンガ造りのスモークハウスによる炭火焼き製法


大木さんのハムづくり・その2
で紹介した武藤力さんが工場長を務めた
ローベンハムのこだわりの文章に

  本物のハム・ソーセージを作る過程で一番大切な
  ものはスモークするためのスモークハウスです。
  このスモークハウスも耐火レンガを一つ一つ積み上げて
  造り、最高級の木炭で時間をかけて炭火焼きをし
  遠赤外線を利用しじっくりとハムの芯まで加熱し
  一晩中時間をかけて造り上げてます。
                (ソーセージ物語より)

とあります。
ちなみに、武藤力さんは
神戸ハムの工場長等を歴任したハムづくりの名人で

私が20代後半の頃(昭和62年頃)
食肉加工協会検査所長だった高坂和久さんに

  日本で一番おいしいハム屋を教えて欲しい

とお願いしたところ当時、武藤さんが工場長を
されていた愛知県の三井ハム製造を紹介され
工場見学に行った懐かしい思い出があります。

  ・三井ハム製造の荻山宗一社長(当時)も
   大木先生のお弟子さんで、
   大木ハムで研修後、ドイツにハム留学された方です。

141011J.jpg



現在は、スイッチを押せば燻煙からクッキングまで
全自動で行えるスモークハウスが主流ですが
炭火焼き製法には以下の良さがあります。

  1.遠赤外線効果により、肉の旨味を逃がさずに
    焼き上げることができます。

  2.ガスを熱源とした場合は、発生する水蒸気によって
    味がぼやけた感じになってしまいますが、炭火の場合は
    低湿度でじっくりと焼き上げることができます。

  3.肉のたんぱく質の熱変性が違います。おいしさが違います。

  4.他の熱源に比べて、旨味成分を引き出す効果が
    高いと言われています。

  5.炭火の香ばしい匂いが生成されます。



ハムやソーセージづくりでもその差は歴然ですが
特にベーコン作りではその味の違いに驚かれることかと思います。


141011K.jpg


141011L.jpg


以前、ニッカ余市工場見学の際、竹鶴威 相談役
(創業者・政孝氏の養子。2代目マスターブレンダー)
に、お目にかかる機会にめぐまれました。

その際、「ニッカの様な、人に感動を与えられるような
商品づくりをするために一番重要な事はなんでしょうか?」と
お尋ねしたところ

  手づくりのよさを大切にする事

とお答え頂きました。
この言葉は今でも私の宝物です。

大木市蔵さんの

  ・厳選された素材と手抜きのない熟練の技

  ・昔から伝わる手づくりの良さを
   大切にし、守るべき処は守り、
   その上でより高い極みをめざす。


という精神を守りながら
理想のハムづくりをめざして
これからも精進していきたいと思います。



参考:
ソーセージ物語 ハム・ソーセージをひろめた大木市蔵伝
増田和彦著 ブレーン出版(株


ハムづくりの先生・大木市蔵さん
大木さんのハムづくり・その1
大木さんのハムづくり・その2
今も受け継がれる大木製法
今も受け継がれる大木製法2
今も受け継がれる大木製法3(素材の吟味)
今も受け継がれる大木製法4(長期熟成)
今も受け継がれる大木製法5(炭火焼き製法)


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大木市蔵さん | 11:42:11
今も受け継がれる大木製法4(長期熟成)
「肉塊」は塩漬けし、熟成させることで
「ハム」という別の食べ物に華麗なる変貌を遂げます。
この時、大切なのは

 熟成までの時間をあせらない

という事です。

近年、スーパーなどで販売されているハムは
約1日で塩漬け工程を終えてしまいます。

国内で手づくりハムとして売られているハムや
本場ヨーロッパで作られているハムも
近年では4日~7日程度の塩漬け工程で
作られることが多くなってきました。

しかし、これでは塩味はついても
ハム本来の持つフレーバーを醸し出すことはできません。

141011f.jpg


この件について、
すごく思い出深い体験をしたことがあります。

  
実は弊社も以前は、化学調味料を使っていました。

しかし、1997年7月にインターネット通販開始を
きっかけにその使用をやめたのですが

  以前の様な旨みが出ない

という大きな問題点が浮かび上がってきました。

製法を変更したり、肉の種類をかえたり
試行錯誤の結果、解決策は

  2週間だった塩漬け期間を3週間に延長する

という単純なものでした。

今から考えると当たり前の事なのですが
塩漬け期間を延長することで
化学調味料では出せない、肉本来の旨みを
塩の力で引き出すことができました。


NHK朝ドラ「マッサン」のモデルとなった
ニッカウィスキー創業者の竹鶴政孝さんを
紹介した書籍「琥珀色の夢を見る」には

 ・品質第一。開拓者精神を忘れるな。科学者精神を忘れるな

 ・人も酒も熟成を経て円くなる。熟成に方程式はない。
  ただ天使に託すのみ

という言葉が出てきますが
前記の大木市蔵さんの言葉ともダブり
すごく共感を覚えます。


もちろん、ただ単純に長く塩漬けすれば
良いという単純なものではありません。
(長すぎると腐敗する危険性もあります)

正しい温度管理と環境整備
それに関する正しい知識が必要です。


大木さん、竹鶴さん、
ものづくりの大先輩達は
異口同音にその大切さを語っています。

141011g.jpg


余談ですが
最近熟成肉ブームだそうですが
中にはセールストークだけのものや
非常に危ないものがあり、ちょっと危惧しています。

この件に関しましては
ネットショップ仲間のニイホさんの
文章が非常に参考になると思いますので
ご興味のある方はご一読くださいね。

▼熟成肉、ブームはいいけど間違った方向に進み始めている
http://www.omi-gyu.com/blog/?p=4853



今も受け継がれる大木製法5(炭火焼き製法)に続く


ハムづくりの先生・大木市蔵さん
大木さんのハムづくり・その1
大木さんのハムづくり・その2
今も受け継がれる大木製法
今も受け継がれる大木製法2
今も受け継がれる大木製法3(素材の吟味)
今も受け継がれる大木製法4(長期熟成)
今も受け継がれる大木製法5(炭火焼き製法)


大木市蔵さん | 09:49:44
今も受け継がれる大木製法3(素材の吟味)
大木さんから伝えられた製法で
播州ハムに残っているものの中で
私は、以下の3点が重要だと思っています。

 1.素材の吟味

 2.長期熟成

 3.レンガ造りのスモークハウスによる
   炭火焼き製法


素材の吟味

どんなに熟練した職人も
悪い肉から良いハムを作り上げる
魔法のテクニックは持っていません。

良い素材の選別こそが、
良いハムづくりの第一歩です。

 ・豚の品種や餌の種類、飼育日数、
  個体差によって、肉質や脂肪に違いが
  でます。それが結着力や保水力の差、
  そして最後には味の差につながってきます。

141011b.jpg
・当時の製法で作られる大型ボンレスハムの整形工程過程



また、原料肉以外の素材も
何を選び、どのような状態で使うかが
大事になってきます。

ちなみに、播州ハムでは現在
色々な塩を試した結果
天日塩、伊豆大島の伝統海塩、ドイツ古代岩塩
を使い分けています。

▼塩へのこだわり
http://www.ham.co.jp/salt.htm

ganen-S.jpg kaien-S.jpg shizenen-S.jpg


また、お肉を漬け込むピックル液
(塩と香辛料を配合した調味液)は

近年多くのメーカーでは
香辛料会社が配合した
コーティングスパイスを水に溶かして
作るケースが多くなってきましたが

弊社では香辛料の原型を袋に詰めて
煮出した後、一定時間寝かし
味がまろやかになったたものを使用しています。


141011_big.jpg
・香辛料の原型を使用




今も受け継がれる大木製法4(長期熟成)
に続く


ハムづくりの先生・大木市蔵さん
大木さんのハムづくり・その1
大木さんのハムづくり・その2
今も受け継がれる大木製法
今も受け継がれる大木製法2
今も受け継がれる大木製法3(素材の吟味)
今も受け継がれる大木製法4(長期熟成)
今も受け継がれる大木製法5(炭火焼き製法)


大木市蔵さん | 07:22:19
今も受け継がれる大木製法2
昔の製法で引き継がれていないものには
以下の理由があると思います。

 1.当時は温度管理が厳密に出来なかった
 2.機械の性能が悪かった
 3.原料肉事情が悪かった
 4.正しく製法が伝わっていなかった


温度管理について
例えば、当時のレシピでは
保存性を高めるために塩をたくさん使いますが、
一般家庭に冷蔵庫が普及したのは
昭和30年頃ですので
今と違うのは仕方ないかと思います。

また、ハムづくりの各工程では厳密な温度管理が、
微生物やたんぱく質の熱変性をコントロールする上で
必須となりますが、当時は妥協しなければ
ならなかったと思います。


機械の性能について
また、ソーセージづくりでは
飯田技師が所有していた当時の参考書
国際的ソーセージ及び肉製品の製造によると

  ソーセージミートづくりにはロッカーと肉たたき機で
  作ったものが全ての状況で最良である

とありますが、現在この器具を使って製造している人は
いないと思います。

iida001.jpg
・ロッカー 改訂 豚肉加工法より

iida002.jpg
・現在のサイレントカッター
 歯の切れ味でソーセージの味が変わります。



正しい製法の伝授について
大木さんがマーテン・ヘルツから伝授された
のはおそらく基本的な製法だったと思いますし、
飯田技師が5人のドイツ職人からソーセージづくりを
学んだ期間は10日間だったので微妙に間違って
伝わったものもある?と思っています。

その点今は、
欧米の専門書や翻訳本も簡単に入手できますし、
本場の技術者との交流もあるので
より正しいハム・ソーセージづくりが
可能になったと感じています。

iida000.jpg
習志野収容所でソーセージづくりをするカールヤーン(右)
・ソーセージの父 飯田吉英 -食肉加工にかける情熱-より




それでは、大木式製法で播州ハムに
今も残っているものには何があるでしょうか?

(大木製法だけではないとツッコミが入りそうですが)
私は、以下の3点を上げたいと思います。

 1.素材の吟味

 2.長期熟成

 3.レンガ造りのスモークハウスによる
   炭火焼き製法



どれも手間と時間がかかりますが
手を抜くとおいしいハムづくりは不可能となります。

今も受け継がれる大木製法3(素材の吟味)に続く


参考資料:
ソーセージの父 飯田吉英 -食肉加工にかける情熱-
かすみがうら市郷土資料館
ハム・ソーセージ作りバイブル 100年前のドイツの味
高坂和久訳
改訂 豚肉加工法 
飯田吉英著


ハムづくりの先生・大木市蔵さん
大木さんのハムづくり・その1
大木さんのハムづくり・その2
今も受け継がれる大木製法
今も受け継がれる大木製法2
今も受け継がれる大木製法3(素材の吟味)
今も受け継がれる大木製法4(長期熟成)
今も受け継がれる大木製法5(炭火焼き製法)



大木市蔵さん | 19:35:35
今も受け継がれる大木製法
マーテン・ヘルツから、大木市蔵、
そして和田義夫工場長に引き継がれたもので
今も播州ハムに残っていているものと、
残っていないものがありますので
少しずつ解説を交えながら書き留めていきたいと思います。

まず、マーテン・ヘルツから伝わった当時の
ドイツ式ハム・ソーセージづくりには
どのような特徴があったのでしょうか?


飯田技師が千葉県の習志野捕虜収容所で
ドイツ人捕虜からソーセージづくりを伝授された
大正7年に映画・バルトの楽園の舞台となった
徳島県の板東収容所でもソーセージづくりが行われました。

その当時の製法をウィンナークラブさんが
ドイツ食肉マイスターの資格を持つ
小林武治郎さんらの協力で
近年、復元させましたが、

その際の資料となったのが
飯田技師が所有していた当時の参考書
「国際的ソーセージ及び肉製品の製造」という本でした。

これによると現在とは違う以下のような
特徴があったそうです。

 ・塩の分量が現在の2倍以上使われていた
 ・硝石だけは使われていた
 ・当時はボイルしてからスモークしていた
 ・レバーケーゼに入れるレバーの比率が多かった
 ・豚の胃や牛の盲腸などもケーシングとした



今も受け継がれる大木製法2に続く

参考:
ウィンナークラブ ドイツ兵が伝えたソーセージ


ハムづくりの先生・大木市蔵さん
大木さんのハムづくり・その1
大木さんのハムづくり・その2
今も受け継がれる大木製法
今も受け継がれる大木製法2
今も受け継がれる大木製法3(素材の吟味)
今も受け継がれる大木製法4(長期熟成)
今も受け継がれる大木製法5(炭火焼き製法)



大木市蔵さん | 11:15:11
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